あまりアニメを見ないのだが、何故かアニメの夢をみた。「風の谷のナウシカ」の中の登場人物(「イシコ」という役名だったかどうかは忘れたが、僕の身体自体もアニメになっていた。夢ってすごいですね)になっていて、蟲に追われていた。主人公のナウシカが使っている風の動力で飛ぶ軽量飛行機に僕も乗っている。この映画のモデルになったパキスタンのフンザという場所だけがアニメではなくリアルで、どこまで飛んでも土の色しか見えてこなかった。
「鞆の浦に行きたい…」 アニメ声でつぶやきながら目を覚ました。冷たいミネラルウォーターを飲みながら、広島県福山市は鞆の浦にいることを自覚する。万葉集の頃から詠まれ、潮の分かれ目としても知られる港町である。
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(写真左)打ち水は見た目だけでなく、本当に涼しいことも改めて知る。
朝風呂前の散歩に出掛ける。地震が少ない上に台風もほとんどやってこないこともあるのだろうが、江戸時代の古い建物が当たり前のように建ち並ぶ。打ち水が涼しげな細い石畳と白壁の建物を味わいながら歩いていく。坂本龍馬が紀州藩と直談判を行ったと言われる宿屋も現在、当時の梁を生かしたまま修復中である。「雁木」と呼ばれる江戸時代から使用されている船荷のおろし場に座り、缶コーヒーを飲んでちょっと休憩。
今度は、寺院が立ち並ぶ道を歩いていく。
寺院が途切れる頃、京都の八坂神社の元社である沼名前神社が現れ、階段を上がっていく。
境内の脇には豊臣秀吉が愛した能楽堂が保存されている。
柱には番号がついており、全てをばらして、戦場へ持っていって組み立てられるようになっていたのだそうだ。戦場で舞う能楽師の気持ちをしばし想像してみる。
更に階段をあがり参拝を済ませ、後ろを振り返ると瀬戸内海が見える。神様に「ちょっと休ませてください」と断り、階段に座らせてもらう。海風を感じながら、今日の夢を思い出してみる。
鞆の浦は宮崎駿監督が気に入り、一軒家を借り切り、2ヶ月程、滞在し、来年公開の次回作の構想を練ったらしい。きっと、その話を聞いたから、「風の谷のナウシカ」の夢をみたのかもしれない。
宮崎監督はどんな朝の散歩を楽しんだのだろう。
さてさて、風呂から上がったら、定期船で5分程度の仙酔島でも行ってみるとしよう。今日の予定を考えながら、ホテルへ戻るのであった。
(写真上左):元理髪店をそのまま改造したカフェは大きな鏡が気持ちイイ。 (上中):鞆の浦の名物「保命酒」。薬膳酒だが、ソーダ割りしてもウマい。 (上右):朝の島はどこか穏やかで、どこか新鮮な気持ちにさせてくれる。 (下左):沼名前神社は和ペリティーヴォな空気感を味わえる神社である。 (下中):灯籠燈と呼ばれる江戸時代の灯台も残っている。 (下右):仙酔島への定期便。5分程度で気軽に行けるのが嬉しい。
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イシコ
1968年生まれ。ホワイトマン代表
大学卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、期間限定のホワイトマンプロジェクトでは白塗りで様々なコンテンツを生み出す。現在は「セカイサンポ」と称し、文字通り世界を散歩中。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても活躍している。
イシコのセカイサンポ
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