船に弱い。つまりよく船酔いをする。波の荒い漁船に乗って酔うのならわかるが、大海原に浮かぶクルーズ船の上で酔うこともある。まぁ、波の上にぷかぷか身体を浮かせているだけで波酔いする身体なのだから仕方がない。そんな僕が2時間の渡し舟に乗った。2時間の乗船となると、もう渡し舟とは呼べないのかもしれない。
(写真上)ちょうどラオスのスポーツ全国大会がパクセーで開催中だったので、カヌー競技の練習風景にも遭遇しました。
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ラオスにパクセーというコーヒーの美味しい街がある。この街からワット・プーという世界遺産に行くことができるとインフォメーションで聞いた。車でも行けるし、舟でも行けると言う。情けない三半規管の持ち主にもかかわらず、咄嗟にメコン川沿いを舟で渡ろうと思い、すぐに予約した。どのくらい時間がかかるのかも聞かなかった。この街を訪れるまでタイのナコーンパノムに滞在しており、10分程度でメコン川を舟で渡った記憶が勝手に短い時間だと思いこんでしまったのだろう。所要時間2時間と聞いていたら躊躇して車で行っていたに違いない。
しかし、今回ばかりは時間を聞かないで決めたことが吉と出たようだ。水面近くに身体をうずめて川を移動していく時間は、普段には、ない感覚である。大きな橋の下をくぐり、大きなホテルの脇を通り、小さいながらも街の風景を過ぎていくとすぐに建物がほとんどなくなり、東南アジアの木々に挟まれた川の間を進んでいく。
(写真左)大きな生き物がいるのかと錯覚させる大きな石も、時折、現れます。
僕とフランス人のカメラマンの二人だけしか舟に乗っていなかったので、少し冒険家になったような気持ちにもなる。時折、川沿いで農作業をする人が現れ、こちらに手を振ってくれ、僕らも手を振り返す。水浴びをしている子供達や洗濯している女性を見ながら、川辺の生活を想像する。
フランス人のカメラマンから煙草を勧められ、普段、吸わない煙草に火をつける。煙を潜らせながら、濁ったメコン川の水面と川沿いに並ぶ木々の光景をボーっと見ているだけなのだが、その時間が心地いい。意外にも2時間、つまり往復4時間、一度も船酔いすることはなく快適な時間を過ごしたのである。
これで船酔いが克服できたと自信がついたのだが、先程、現在滞在中のバリ島の海で波酔いをして少々、落ち込んでいる。
(写真右)夕暮れが近くなると川沿いの屋台では西日対策の傘が登場します。
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イシコ
1968年生まれ。ホワイトマン代表
大学卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、期間限定のホワイトマンプロジェクトでは白塗りで様々なコンテンツを生み出す。現在は「セカイサンポ」と称し、文字通り世界を散歩中。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても活躍している。
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