waperitivo 和ペリティーヴォな電話

携帯電話が普及してからというもの、どこでも連絡がとれるという便利さを得た。しかし、短い時間に繋がらないだけで、いらいらする人が多くなったなぁと感じるのは気のせいだろうか。

最近では、海外旅行中でも携帯電話を持っていくことが当たり前になりつつある。どこでも連絡がとれる便利さと安心感があるのは確かだが、なくても余程のことがなければ困るわけでもない。僕が雑誌を創っていた頃、まだ海外で携帯電話を使うことはかなり高価だったので、海外特集をするときはいつもホテルの電話か公衆電話で対処していた。しかし、連絡が取れなくて困った記憶はない。

そのせいか今でも海外では携帯より公衆電話を利用することが多い。そして海外の公衆電話と格闘する時間が僕は結構、好きだったりする。急激に減っている日本の公衆電話だが、それでも「公衆電話はかけられて当たり前」という感覚が日本人にはどこかあるはずである。しかし、海外ではその感覚は通用しない。

カンヌ・コタキナバル・スウェーデン・タイの公衆電話
オーストラリアの公衆電話

まず使える電話を探すところから始まる。使えない公衆電話の方が多い場所もある。以前、ニューヨークで友人とカフェにいて、「ちょっと電話してくるね」と席を立ったとき、「問い面の電話は両方とも使えないから、2ブロック先の電話がいいよ」と言われたことがある。何だかその言い方がとてもゆるくていいなぁと思った。翌日、壊れた公衆電話の前を通った時、意味もなくその電話が故障していることを確認した。壊れた公衆電話の場所まで知っておくことも、その街に馴染むことの一つなのだとそのときから思い始めたのである。

モンゴルの公衆電話

使える公衆電話を見つけた後も問題は残る。クレジットカードが使える公衆電話は便利なのだが、現地のコインでしかかけられず、ポケットにコインを持ち合わせていないと紙幣をコインに両替しなくてはならない。日本のようにコンビニが近くにあるということも海外では、なかなかないし、どうやってくずすかを考えるのがまた楽しい。よく考えれば、ほんの20年前の日本もそうだったはずである。世界中で、どんどん減りつつある公衆電話に思いをはせながら、今日も僕は海外の公衆電話と格闘するのであった。

それにしてもモンゴルの公衆電話(公衆携帯電話と言った方がいいのかもしれないが…)で人に電話を持ってもらいながら話をするという奇妙な光景は今も残っているのだろうか。

ニューヨーク・パリ・ハワイ・マドリッド・台湾の公衆電話

イシコ

1968年生まれ。ホワイトマン代表
岐阜県出身。静岡大学理学部数学科を卒業するが先生になりそこね上京。映画、テレビ、演劇、イベント、出版、大道芸と様々な業界を渡り歩き、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、現在は(有)ホワイトマンプロジェクト代表。 ホ ワイトマンとは国内国外問わず、イシコの友達が白塗りをして、ショー、映像、本、 プロダクトなどを5年間限定で産み出して、遊ぶプロジェクト。MONOマガジンにて 「ホワイトマンの物生講座」連載中。
ホワイトマン公式ホームページ 和ペリティーヴォ ホームページ

バックナンバーを見る

このページのトップへ戻る

バックナンバー

バックナンバー一覧


サイト内検索