世界がみえる
温室効果ガスの排出量削減を義務付ける京都議定書が2月に発効するとあって、最近メディアでは環境問題を多く取りあげています。
ここでは簡単に地球温暖化について考えてみましょう。

昨年は日本が観測史上最も多くの台風上陸をみたほか、11月の東京など37箇所での平均気温が観測史上最高を更新。
こういった異常気象は日本に限定されたものではなく、WMO(世界気象機関)のレポートには世界各地で観測されています。

たとえば、南ぺルーのアンデス地方では昨年7月に異常な寒さを観測し、92人の死者を出しました。アジアでは6~9月に掛けてのモンスーンの時期に大雨と洪水の為、インド、ネパール、バングラデシュでおよそ1800人の死者がでたと報告されています。
アフリカ大陸では最大級のザンベジ川が1958年以来の大氾濫がおきたことで、北東ナミビアに居住している2万人以上の人々の生活が危機に陥り農業に悪影響がでました。

18世紀の産業革命以来、人間による二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が気候に大きな影響を、果てには自然の生態系にも影響を及ぼすとみられています。つまり異常気象の多くは地球温暖化が影響していると考えられています。

WMOによると、1860年代から比べると20世紀のうちに地球の表面の気温は平均して0.6度以上上昇。もっとも上昇率が大きかったのは平均0.38度の上昇を記録した1990年代でしたが、恐ろしいことに2000~2004年にかけての5年間はこの水準を大きく上回る0.58度になったようです。

このように地球規模の問題に発展してしまった温暖化問題の対策として、1997年に気候変動枠組み条約第界締約国会議(COP3)で京都議定書が採択されました。先進国の温室効果ガス排出量に数値目標を設定する事で、世界的な排出量を制限していこうとしたものです。

日本は2002年5月21日に衆議院が批准を承認。今年3月からは環境問題をテーマとした愛知万博が行われます。
また欧州連合(EU)は加盟25ヶ国とも、京都議定書が定めた温室効果ガスの排出削減目標を達成できる見通しだとしています。
その一方で二酸化炭素の最大排出国のアメリカは、発展途上国が参加しないことや、二酸化炭素の排出量がアメリカについで多い中国やインドに排出削減義務が課されていないことを不満として、2001年に京都議定書からの離脱を表明しました。

これは大きな議論を巻き起こしました。世界的な温暖化防止対策は各国が歩調を合わせないと十分な効果が上がらないからです。

京都議定書の発効を前に今後の課題はアメリカの参加を促せるのか、ということでしょう。欧州では1月1日、二酸化炭素の排出量取引制度を発足させました。日本でも排出権ビジネスには関心があつまっています。排出枠に余剰がある国が排出量を減らした分を排出権として転売するといったビジネスなのです。今後こういったビジネスが盛んになれば消極的なアメリカも参加するのでは、と期待する関係者もいます。

いずれにしても地球温暖化問題は世界各国が、そして国民一人一人に努力が求められています。
21世紀は地球人として公共善(common good)を追求するという意識改革が求められる時代なのかもしれませんね。(Photo / (c)CORBIS JAPAN)
京都議定書に関してはこちら
異常気象:
(1)集中号のように短期間に重大な災害をもたらす気象
(2)月平均気温や月降水量が過去 30 年かそれ以上の機関に観測されなかったほど平均気候値から隔たった気象
(集英社 国語辞典より)
WMO(世界気象機関)に関してはこちら
気候変動枠組み条約第界締約国会議(COP3)に関してはこちら
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丹羽 康子/ Yasuko Niwa

英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけでなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。現在は株式市況のレポーターとして日経CNBCに出演中。

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