世界がみえる
先月のテーマで国際化した環境問題をとりあげましたが、国家という枠組みを超えて協力し、問題の解決をしなければならない時代になりました。そのなか、国際平和を追求するための協力活動、すなわち「国際貢献」のありかたについて、最近マスコミ業界をはじめとする多くの人々が注目しています。

日本は従来、政府開発援助(ODA)という経済的手段を中心に国際貢献を行ってきました。
ただ近年PKO活動や、もっと最近なところではイラク復興支援活動、インドネシア・スマトラ島沖大地震の緊急支援活動などに見られるように、自衛隊を派遣する人的な国際貢献策を積極的に行うようになっています。

大学院時代に、国際平和について授業で議論する機会がありました。その中で支援を提供する側の国は受入国の「ニーズ」を十分に加味していない支援策をとっていたりするのではないか、という議論がありました。
実際、アメリカのイラク攻撃の例にもみられるように、いくら民主主義的な平和の追求のためとはいえ、受入国の政権の承諾なしに軍隊を派遣している例もあります。

まだ賛否両論が多い軍事的な国際貢献の分野以外の国際貢献のあり方についても、疑問視する声はあります。
例えば従来から存在する日本のODA政策。そもそも戦後賠償から始まった経緯があるため中国をはじめとするアジアの国への支援の比重が重く、もっとも経済支援を必要としているようなアフリカ地域への割合がまだ少ないのが現状となっているようです。

そこで考えてみましょう。いま求められている国際貢献のありかた、もしくは国際平和の追求の仕方とは何なのでしょうか?
環境問題の例にみたように、もはや国益ばかりを追求した国際支援を行うことは求められていないのです。
それに現在、政府だけが国際貢献に従事する特権を持っているわけではありません。独立行政法人の国際協力機構(JICA)や、国際協力を目的とした数多くの非政府組織(NGO)や非営利団体(NPO)を通して個人が国際貢献に直接参加することはできるのです。

2004年に日本はODA50周年を迎えました。
また自衛隊の海外派遣にともない活発に論議がされていることを機に、同じ地球上の一員として国際平和協力にどう貢献していけるのか意識をむけるのもよいでしょう。
ひとりひとりがグローバルな視点に立った問題意識を抱くようになれば、おのずからと最も必要されているところに最も必要な形で支援を届けることができるようになるのではないでしょうか。
(Photo / (c)CORBIS JAPAN)

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丹羽 康子/ Yasuko Niwa

英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけでなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。現在は株式市況のレポーターとして日経CNBCに出演中。

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