世界がみえる 日本人と宗教についての一考
最近、北米地域では“メリークリスマス”禁止令が問題となっているようです。クリスマスツリーも“ホリデーツリー”の名称に変更がされているとか。多民族国家として、キリスト教徒以外の人口に配慮した風潮になっているようです。

ただ、アメリカの宗教別人口分布を調べてみると、なんとキリスト教徒はアメリカの全人口の80%近くを占めているとのこと(2000年度の統計なので少し古くて恐縮なのですが、そう大きな変動はないと推測されます)残りの人々の5%あまりがその他の宗教、そして無宗教者がおよそ15%となっています。

その一方で東京は“クリスマス”の看板があふれかえっています。統計によってさまざまですが、文化庁統計によるとキリスト教信者数は日本人口のおよそ1.5%の、190万人あまりに過ぎません。明らかにそれよりも多くの人々がクリスマスを口実に、商売やイベントを楽しんでいるように思えます。

日本人は宗教に対して寛容なのか、または無頓着なのか。初詣を神社でし、結婚式をチャペルで挙げて、葬式をお寺でする、ということはごく普通に行われ、慣習にさえなっているようにも思えます。おもしろいのは統計上、神社もお寺も氏子と檀家を信者数としてあげているため、信者数の総計が日本の総人口をはるかに上回る、2億人あまりになっていることです。神道系、仏教系と、二重所属しているひとたちが、いかに多いかがよくあらわれていると思われます。これを哲学・宗教上の「混合主義」(Syncretism=シンクレティズム)というそうですが、多くの外国人は違和感をおぼえるそうです。
今年は「Season’s Greetings (季節の挨拶)」のクリスマスカードがいくつか「メリークリスマス」のカードに混じって届きましたが、カードのイラストはキリスト教を思い起こさせないような風景画などが多くなっていました。配慮してもらっているのかもしれませんが、そんな気遣いをよそに、私はサンタさんのクリスマスカードを送り、クリスマス会の予定をたてるかたわら、年明けには初詣にもいく計画をたてています。
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「ホリデーツリー」についてはこちら
文化庁統計(平成14年調査)はこちら
アメリカの人口分布はこちら

丹羽 康子/ Yasuko Niwa

英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけでなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。現在は株式市況のレポーターとして日経CNBCに出演中。

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