遠いようで、実は地図上では日本と同じ「アジア」圏に位置づけられている中東アジアの国々。いま多くの問題をかかえている地域でもあり、国際社会の注目をあつめています。そこで今月は最近の中東関連のニュースに着目してみました。
イスラエル。去年、ガザ地区のユダヤ人入植地の撤去を断行し、シャロン首相はパレスチナとの和平交渉を具体的にすすめた人物として期待されていました。ところが去る1月、重い脳卒中で緊急入院し、政治復帰も困難だとの報道に、国際社会に緊張がはしりました。
その矢先に、パレスチナの独立国家を目指す評議会選挙が行われました。イスラム原理主義組織のハマスが単独過半数を獲得、今後政権を主導していくと見られています。ハマスはかつてよりイスラエルの承認を拒否していて、武力解除にも反対してきた原理主義組織です。そのため今後のイスラエルとの和平交渉の難航は必至とみられ、かつての和平路線などには暗雲が立ち込めたといえそうです。それだけではありません。時期を同じくしてイランが国際原子力機関(IAEA)に「平和利用のため」の核開発、ウラン濃縮活動を再開することを伝えました。この再開を阻止させるべく、IAEAは国連安全保障理事会に問題を付託する決議を賛成多数で採択。今後は核開発問題をめぐり、国際情勢は緊迫すると見られています。
追い討ちをかけるように、デンマークの新聞をはじめ、独仏の有力紙にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が掲載・転載されました。これに対する抗議活動が中東各地であいつぎました。デンマーク製品の不買運動に留まらず、シリアやレバノンなどでは大使館が放火されました。ローマ法王庁やアナン国連事務総長も事態の沈静化を訴えましたが、最近ではパキスタンでデモ隊がケンタッキーなどを襲撃するなど、抗議活動はまだつづいています。