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日本の皇室が民間人を初めて皇室にむかえたのが1959年。現在「美智子さま」の愛称で親しまれている皇后陛下です。ただし当初の日本では、民間出身の皇太子妃に対してメディアも国民は良くも悪くも沸いたといいます。 そして今日、イギリス王室のウィリアム王子のお相手が過熱報道の対象になっています。「ウィリアム王子がお付き合いをしている女性が中流階級の人であり、婚約も間近ではないか」と憶測されているのです。「女王も公認の仲」と噂される彼女は、イギリスの歴史では初めて民間出身(中流階級)のプリンセスとなる可能性が高いため、国民の注目を集めています。 イギリスでは知っての通り、いまだに貴族階級が存在しています。それゆえ、これまで国内外の王族・貴族の子女がイギリス王室には迎えられてきました。かの有名な故ダイアナ妃も、彼女の父親が“Earl(アール)”の称号で伯爵家(「プログレッシブ和英中辞典」による)となるため、貴族階級出身となります。 一方、近年の歴史を振り返ってみるとエリザベス2世の伯父にあたるエドワード8世はアメリカ人女性、ウォリス・シンプソンとの結婚を望んだため退位をしています。つまり、イギリスのような階級社会において、中流階級出身の女性が王室に迎え入れられるということは、それこそ時代の移り代わりを象徴するような一大事となるのです。ウィリアム王子は「開かれた王室」への布石をうっているのでしょう。 ところで最近日本で見直され、再び認識されている「武士道」の精神。これが日本の武士階級に関わる思想の代表であるとするならば、19世紀以降のヨーロッパでは“Noblesse Oblige (ノブレス・オブリージュ=貴族の義務)”という思想が貴族階級に興りました。以降、特権があるものは社会的責任がその分重く、貴族は模範となり、また奉仕をしなければならない、といった概念に拘束されるそうです。 王侯貴族が国民にとって身近な存在、「開かれた王室」となるのは時代の要請とともに必要なことでもあるのでしょう。但し保守的な特権階級の慣習がすべて悪習かといえば、そうではないのです。最近「武士道」の精神も再び日本で評価し直されているように、「特権を有する立場にあるからこそ社会的責任が重い」という“Noblesse Oblige”の精神は、後世につないでいかなければならない心の一つではないでしょうか。 丹羽 康子/ Yasuko Niwa 英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけでなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。日経CNBCにて経済キャスターを経たあと、現在は茶道家としての活動をすすめる側ら、金融教育やキャリア教育などの講演でも活躍中。 |












