再度意識して、ゴミ問題
再度意識して、ゴミ問題

近現代社会において、経済産業の発展は社会に繁栄をもたらした一方で、自然環境を犠牲にしてきた。アメリカの元副大統領アル・ゴア氏出演で本年度のアカデミー賞2部門を制し、日本国内でも話題になっている作品「不都合な真実」。そしてつい先日(2007年3月8、9日)もEUの閣僚理事会では野心的な気候政策・エネルギー政策が採択された。現在は環境問題の中でも大量消費と大量廃棄型の社会システムの限界が叫ばれ、個人レベルでも意識されているのが「ゴミ問題」である。

2006年2月、中央環境審議会(環境省)らによって「国際的な循環型社会の形成に向けた我が国の今後の取組について」という中間報告書が提出された。そこには東アジア地域に向けてこれまで日本が推進してきた「3R」を踏まえ学んできたことを発信し、環境対策のリーダーシップをとっていこうという意思がこめられている。通称「ゴミゼロ国際化行動計画」である(「EICネット」参照)。日本政府が提言している「3R」とは「廃棄物の発生抑制(リデュースReduce)、再使用(リユースReuse)、再生利用(リサイクルRecycle)」の3つの“R”で、循環型の社会の形成を求めている。

今日、ゴミ処理などに対する問題意識は何も日本に留まらないようだ。環境先進国としてしられているドイツもゴミの分別などが厳しいことで有名だ。イギリス政府は“Waste not, want not ”、「浪費しなければ不自由することはない」という諺にかけて「無駄にするな、欲しがるな」というスローガンを掲げた。また先進国の大企業を中心にCSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)というアメリカ発の概念が広がるにつれて、独自の環境対策を打ち出すという、企業レベルでの活動も盛んになっている。

先進国だけではなく、発展途上国の間でも地球環境に対する関心が高まっている。かつて経済発展と環境保全は相容れないものであったものかもしれない。しかし、経済発展とともに技術革新も進み、先日、ある日本企業のおもしろい取り組みがテレビで放映されていた。日本企業の株式会社ブレストがマーシャル諸島の大統領の少しでもCO2とゴミの削減をしようという要請に答えて、不要になったプラスチックを石油に戻す、油化装置を持っていくという内容だった。この企業は事業の一環として小学校に行きペットボトルの蓋などを油化し、生成した油で発電機を動かす、などの環境活動も行っている。

ドイツ領事館のWebサイトも指摘しているが、確かにこれまで「20%の人口を占める工業国が地球の資源の80%を利用して得られた繁栄を、今度は途上国が同じように追求するのも当然」のことなのかもしれない。また先進国は彼らが求める繁栄を拒否する権利もない。しかし、技術革新とともに、途上国には環境を犠牲にしなくても経済発展を追求する、という選択肢が増えたのである。変わって環境を犠牲にして成り立っている社会の中に身をおいている私たちはもっとも身近な環境問題の解決に努力すべきではないだろうか。まずはゴミを減らし、ものを粗末に扱わず、無駄にせず、アイディアを駆使しリサイクルする術を考えてみようではないか。

丹羽 康子/ Yasuko Niwa

英国オクスフォード大学で国際関係学を専攻し修士号取得。政治だけでなく金融知識も身に付けたいと帰国後、外資系証券会社に勤務する。日経CNBCにて経済キャスターを経たあと、現在は茶道家としての活動をすすめる側ら、金融教育やキャリア教育などの講演でも活躍中。

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